vol.1 渡辺 旭インタビュー 2020年5月1日

渡辺 旭に色々聞いた。 意図せずにライブハウス編。



2020年5月1日に聞いた



2020年5月1日深夜 THE NINTH APOLLO渡辺 旭にLINEで色々と聞いてみた。


インタビュアー:渡辺の学生時代からの知人 インタビュアー:お久しぶりです。 何年ぶりかになりますが、今聞きたいことがたくさんあるって連絡したら

ちょうど掲載の場所を旭くんが作るとのことでインタビューをやらせてもらいます。 相変わらずの僕は匿名ですがお願いします。 渡辺:匿名は安定してズルいね。よろしくお願いします。 インタビュアー:実は2019年にも一度メールインタビューしたのに収拾付かなくて

お蔵入りになったんで今回は頑張ってまとめましょう。 渡辺:確かサブスクとSNSの話になって、着地点を見失ったやつやね。 あのタイミング(2019年春)も何か残すのに重要なタイミングやったし、もっと言葉にして再認識したいことがあったけど、別に記事にしなくても再認識できたから良いのかとも思ってます。 今回はせっかくやから、まとめるの前提でいきましょう。 インタビュアー:そうだね。今回はさすがにこのタイミングは前代未聞の状況のライブハウス業界、レーベル業界、マネージメント業界について進めますか? 渡辺:前代未聞ではあるけど、今の話だけだと見えないことが多すぎるから、しっかりと時系列を持って話せたら再認識できるかなと思ってます。 インタビュアー:なるほど。旭くんらしいのでそれで進めましょう。 LINEでインタビューなんで質問が前後するかもですが、後でまとめるので質問の通り答えたり派生して答えたりしてもらえればと思います。 最初はライブハウスの話から。 実際、心斎橋BRONZEを運営してる身として、年中各地のライブハウスに出入りしてる身として、今の状況をどう考えてますか? 渡辺:異論はいくらでもあると思いますが、個人的にはライブハウスは誰でも来てください!というものの万人受けする場所ではもちろん無くて、運営に関わる前からずっと揚げ足を取られやすい所だなと思ってました。 ざっくり言うと町の嫌われ者の立ち位置。 経済効果が出る最寄りのコンビニにまで、苦情を言われる。 けど、俺たち少数派にとってはかっこいい場所。 嫌われ者、それでも続いてきたライブハウスがいくつもあるってことが答えだと思ってて、 今の最悪な状況も越えるライブハウスがいくつもあると思ってます。 インタビュアー:誰かにとっては邪魔者でも、誰かにとっては必要だから続くとかそういうこと? 渡辺:ざっくり言うとそうやけど、残酷やけど今の状況が終わった後でも続いてたら1つの答え、無くなってたら1つの答えかな。 ライブハウスだけじゃなくて他業種の店舗とかでもそうやけど、金儲けの作業ばっかりしてた所は耐え切れないんじゃないかな、人儲け(借りた言葉です)をしてた所には確実に見返りが来るタイミングやと思うけど。 極論、どんな場所でも誰かにとっては無意味なものやし誰かにとっては必要やからそこを議論するのは無駄かな。 インタビュアー:風評被害で潰れるところはしょうがないと? 渡辺:いやそういう訳では無くて、町に嫌われてても生き残って来たライブハウスにはちゃんと理由がある。 建物の耐久とか、どうしようも無い騒音問題とか、経営以外の金銭問題とかで撤退したものを除いてね。 他の業種の戦い方とか、守り方は分からないんで俺の思ってるライブハウスの話です。 こうやって、何かの持論を言いたい時も保険を言う癖が付いてきた。ご時世やね。 話戻して、このタイミングで世間に嫌われること、風評被害によって潰れるってことは回避できるはず。 しっかり人儲けしてた所は、ここで還元されるはず。 きっちり運営してきたんであれば大丈夫と思ってる。 もちろん準備不足とかもあって風評被害で潰れるってなるとこが出てくることがしょうがないとは思わないけど、理由は風評被害だけでは無い気がするってことかな。 続くにも終わるにも、お金や風評被害だけじゃなくて理由があると思ってる。 インタビュアー:各ライブハウスが今までやってきたこと(過去)とそれによって運命が別れるかも(未来)のあれこれは理解したけど、 それは過去の体感と未来の希望的観測でしかなくて、現実的な今の家賃とかの維持費問題についてはどう思ってる? 渡辺:これまた異論いっぱいやろうけど、今の状況はシンプルに経営リスクの一種やと思う。 何かしらの理由で営業できなくなるっていうのは、店舗型の商売では想定内、今回のは理由が想定外やったけど。 家賃、人件費は確かにキツい。めちゃめちゃキツい。 けど、しっかり調べたり考えたりすれば打開策みたいなのはあると思ってる。 かっこいい打開策かどうかは置いといて。 インタビュアー:それは支援とかクラウドファンディングとか? 国からの補償とか? ライブ配信とか? 対象がライブハウスの打開策があれば知りたい。 渡辺:今すぐお金が必要なところは、物を売ったり、支援とかクラウドファンディングも良いと思う。 支援もクラウドファンディングも1つの手段。先を想定してるなら。家賃と人件費だけに使うとかその場しのぎになると危ないけど。 国からの補償ももらえたら良いんやろうけど、もらえたらラッキーぐらいかな。他の職種もキツいやろうし。 ライブ配信も生き残る道なんやったら、やっても良いと思う。 絶対にライブは生の方が良いけど、誰かを助ける手段になるならって感じかな。 インタビュアー:前の質問の今必要なお金を生む方法への旭くんの解釈は分かったとして、 旭くんが思う打開策はない? 渡辺:今すぐお金が必要なところは、前出の形がベターなんじゃないかな。 他はホールレンタル回数券販売、ドリンクチケット前売り、入場チケットサブスク化、情報、コンテンツを売る(定額アプリ化など)とか。 結局、ライブハウスに関わる人、要はお客さんとか関係者からお金を集めるしかないってとこが弱いけど。 他業種からお金を集める方法もいくつか考えたけど、まあビジネスやなーって感じやね。 とにかく、各所からライブハウスが弱ってるから助けてください!みたいな策しか出てこないから ずっと不完全燃焼ではある。 まだ経営リスクを受けてる途中やから明言できないことが多い。 自粛期間が長くなれば違う方法が出てくるかもしれんから、ずるいけど意見も行動も臨機応変にいきたい。 要は打開策みたいなんはあるけど、全部には当てはまらない。 インタビュアー:「かっこいい打開策かどうかは置いといて。」っていうのはそういう意味? 旭くんが運営してるライブハウスはどの策を取ってる? 渡辺:そういう意味。かっこよく乗り切る方法は見つけてない。不完全。 誰か教えて欲しいです。 BRONZEは、最初から売り上げ目標を立てて達成させようっていうスタンスでは無くて、育成の日、ツアーバンドを地元バンドが迎え打つ日、実験的な日、成長を見せに帰って来てくれる日、BRONZE埋めれらるようになってイベントしてくれる日、とかイメージしながら運営してるから 全く売り上げない月もあれば、半年分の家賃払えるぐらい売り上げる月もある。 だから、その月の売り上げを次の家賃に回す仕組みを組んで無いんで資金繰りは頑張ったら夏までは乗り切れるかなと。 運営の方針がそれなんで、数ヶ月はもちろん大赤字やけど、今を乗り切る策というよりも再開後の運営の準備、スタートダッシュの策を考える期間になってます。 この数ヶ月の赤字は、さすがに本気出して取り戻さないと厳しい。 インタビュアー:再開後の準備は具体的にはどんなこと? 渡辺:再開後の営業日埋めるのは結構大変で、もし来週から営業して大丈夫ですと言われてもすぐに1週間後のイベントが組めるわけも無い。1ヶ月後でも厳しいし下手したら2ヶ月後でも厳しい。 俺は1週間後からイベント出来るように、それの種蒔きをしてる。 Born From Live Houseっていうプロジェクトの中で、 「各ライブハウスに合った形で還元します。」っていう表現したのは、 今すぐお金が必要なライブハウスにはお金を、営業再開後にイベントが必要なライブハウスにはイベントをしに行く。各ライブハウスの意向に合わせて動くみたいなイメージでの表現やったから、後者に該当するBRONZEで何が出来るかを考えてる。 インタビュアー:なるほど。 Born From Live Houseの話が出てきたけど、掘り下げます。 ライブハウス支援を目的とした活動であってる? 渡辺:言い方の問題なだけかもしれないけど、支援ではないかな。 もう少し対等なイメージ。 ライブハウスがかわいそうだからって感じじゃなくて、 今までお世話になってきたから、恩返します。 できることやって還元します。 そんな感じ。 言い回しって大事やと思う。 だから「各ライブハウスに合った形で還元します」 で統一したい。 インタビュアー:まあ、言い方の問題だろうけど確かに大事なとこな気はするね。 「各ライブハウスに合った形で還元」はバランスの良い言い回しかもね。 思い付いたきっかけは? 渡辺:きっかけというか、俺はいきなり現金を寄付しますって言われても受け取られへん。 実物も見たことないモノの売り上げ金なんて恐れ多くて受け取られへんと思ってしまうし、 ライブハウス全体に寄付しますみたいなお金の一部も受け取りづらい。 俺以外にもそういう人いるやろうなと思って、合った形で還元しようと思ったかな。 インタビュアー:なるほど。自分のアレルギー回避からの言い回しってことね。 具体的に、CD販売、Tシャツ販売、これらは売り上げを還元。 金銭的還元もしくは再開後にイベント開催で還元という形で、 もう1つはドリンクチケット前売り それぞれに意図はある?急ぎ現金化できるものって感じ? 渡辺:現金化ではないかな。それはあまり考えてなかった。 1番最初は自分のところを守ることを考えてやろうとしたけど、 どう考えてもお世話になったとこに恩返すのが先かなと思って、 他を巻き込むことにした。 意図は、今のことより終息後を見据えてる比率が高めで考えるってことかな。 以下箇条書きみたいになるけど、それぞれについて。 V.A(CD) バンドたちと何かしたかった。 ほんまは、ライブハウス店頭で売るために動いたプロジェクト。 けど、外出できないし、人を集めたらダメってことで通販に取り急ぎ移行した。 CDの制作意図を伝えて、選曲は各々のバンドに任せたら、ちゃんとライブハウスに行きたくなるようなCDができた。 バンドっていいなーって思った。 1500円と安くして拡がるイメージもキープしたかった。 看板コラージュTシャツ お世話になったライブハウスの人たちと何かしたかった。 細かい数字で生産できて、なるべく多くの人の手に渡るモノにしたかった。 自分がやってきたレーベルロゴの中に入ってもらえる看板なんで色々なことを考えて連絡させてもらって、許可をもらいました。 1インディーズレーベルのロゴに看板写真を提供してもらえるなんて奇跡だと思ってます。 ありがとうございます。 CDでもそうやけど俺が仕掛けてやってる限り、どかーんとTHE NINTH APOLLOのロゴを主張させて うちに興味ある人たちに手にとってもらいたかった。 うちのフィルターをちゃんと通した形でライブハウスへの還元をしたかった。 最終的にTシャツにしたのは、奇跡みたいなモノを身に付けられるようにしたかったし 着古して風化して欲しいし、Tシャツって色々と思い出すランキングが自分の中で上位やったからです。 お代わりドリンク代前払い 次にライブハウスに来てもらう約束的なことをしたかった。 今回のような事態以外でも使えるシステムかなと思って動いた。イベントTシャツ代前払いとか。 昔みたいにお酒がバンバン出ないのに、時代錯誤なシステムだって言われそうですが キャッシュオン(バーカウンター精算)の日は出ないけど、あらかじめドリンクチケットを受付で売っといたら出る。 事後会計の居酒屋では普通にみんな飲むやろうし、 ライブハウスの飲み放題イベントでも出る。これは元取りたいっていう心情かもですが。 都度都度お金を出すってとこが一因かもって考えてたらこれをやってみたくなった。 お金ある時に買っておいたり、お金を毎度出さなきゃならない億劫さをクリアしてみたらどうなるか? 実験要素が強いんで、自分が運営してるBRONZEでだけとりあえずやってみてます。 すごい要約したけどこんな感じです。 インタビュアー:相変わらず、実験的なことはいつも入れてるんだね。 そこの挑戦していく感覚にはいつも感心する。 レーベル業界、マネージメント業界のことも聞きたかったけど、さすがに長そうな気がするんで次回にしようかな。 来週あたりに続きできればと思いますが、平気? あとライブハウス編の最後に、ライブハウスは必要だと思いますか? 渡辺:平気かな。深夜帯なら返します。 ライブハウスが必要かどうかはこれから分かるとして、 お客さんの前でライブをできる場所は絶対必要。 それがライブハウスになるように精進します。 ライブハウスが好きな方々へ。 最近のライブハウス情報が支援だらけになってて申し訳ないです。 無理に支援しなくても可能な範囲で大丈夫です。 ちゃんと対価を返すので、またライブハウスに来てください。 その場しのぎはしない。 耐えて、考えて、備えてます。 最後までお付き合い、ありがとうございました。


インタビュアー:次はレーベル編で。


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渡辺 旭(THE NINTH APOLLO / BRONZE / Born From Live House)

official web site ≫ https://bornfromlivehouse.com



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